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直接暴言を吐くわけではないものの、後輩に対して「こんなこともできないの?」といった否定的な発言を繰り返したり、職場の暗黙のルールをあえて伝えず居心地を悪くしたりする社員がいると、新人や後輩の離職につながり、社長ご自身も対応に頭を悩ませることになります。
とはいえ、いきなり解雇に踏み切ると、後で「不当解雇だ」と争われかねません。
本記事では、後輩への当たりがきつい社員への対応について、裁判例を踏まえてトラブルにならない進め方を整理します。
この記事を読んでもお悩みが解決しない場合、やり方はわかったが実際に作業ができない場合には、弁護士に相談することをお勧めします。
解雇・法的トラブルに発展する前に相談いただく方が、会社に有利な解決を実現できるためです。
後輩への当たりのきつい社員は、自分の言動で後輩が嫌な思いをしているという自覚がないケースが極めて多いです。また、「仕事だからきつい言い方も我慢して当然」と思っていることも多いです。
そのため、必要な指導等をせずに解雇すれば、会社が不当な解雇をしたと認識し、会社と対立しやすくなります。
問題となる言動を具体的に特定しないまま、退職者が相次いでいることだけを理由に解雇すると無効になりやすくなります。何が、いつ、どのように問題だったのかを特定できて初めて解雇の理由になります。
退職届に「一身上の都合」としか書かれていないケースでは、退職の原因が本当に当該社員にあったのかどうかも判然としません。
感覚的に「あの社員のせいで辞めていく」と感じていても、誰が、いつ、どのような言動を受けて辞意を固めたのかを一つひとつ確認しないまま解雇に踏み切ると、後から「具体的な根拠がない」として無効と判断されるリスクが高まります。
問題となる言動を把握していても、注意・指導や処分をしないまま重い処分に踏み切ると、懲戒権の濫用として無効と判断されやすくなります。記録がなければ、後から正当性を示すことも困難です。
例えば「あんたは実力がない」といった発言を繰り返した事案で、裁判所は、被害者となる従業員の心情を理解・自覚させる機会を与えないまま停職2か月という懲戒処分をしたことは懲戒権の濫用にあたると判断しました(東京地裁平成27年9月25日判決)。
人間関係をめぐる問題では、裁判所はいきなりの解雇を認めず、改善の機会を与えたかどうかを重視する傾向があります。
指導をしても、その後に本人の態度が変わったか、周囲の従業員にどのような影響が出ているかを確認しなければ、解雇の有効性を裏付ける材料が乏しくなります。
東京地裁平成14年11月27日判決の事案では、複数の従業員が当該社員の言動を理由に退職する意向を明言し、会社が指導を重ねてきたにもかかわらず、指導のたびに他の従業員へ強く当たる状況が続いたことから、改善の見込みがないと判断され、解雇が有効とされました(いわゆるお局への多王が問題となった裁判例です。)。
反対に、指導後も同様の言動を繰り返していた等の記録がないと、指導を受けて改善をしたとの評価を受け解雇は無効となるリスクが高まります。
経営者側の労働問題は思わぬところにリスクがあります。「常識的に考えたら大丈夫だろう」が通じず、多額の賠償を支払うことになったケースもあります。
まずはリスクの洗い出しと誓約事項の検討の相談をお勧めします。
トラブルを避ける鍵は、①新人と当該社員の双方から事実を確認し、②必要な指導を行って記録に残し、③指導後の様子を周囲からも確認する、という順序を踏むことです。この段取りを経れば、最終的な解雇や退職勧奨も認められやすくなります。
まずは新人・後輩本人と当該社員の双方から、いつ、どのような言葉や態度があったのかを具体的に聞き取り、日時・発言内容・同席者の有無を記録します。
「なんとなくきつい」という印象ではなく、誰が何を言ったのかを特定できて初めて、指導や処分の根拠になります。
難しいのは、当事者同士の言い分が食い違う場面での事実認定で、一方の言い分だけを鵜呑みにすると、後から「事実誤認だ」と争われかねません。
客観的な証拠が乏しい状況でどこまで踏み込んで事実を固めるべきか、早めに問題社員の対応を弁護士に相談するのが安全です。
事実が確定したら、当該社員に対して、どの言動のどこが問題で、今後どう改善すべきかを書面で伝え、口頭注意・書面注意・懲戒処分の中から状況に見合った重さの指導を選びます。
難しいのは処分の重さの見極めで、軽すぎれば改善につながらず、重すぎれば懲戒権の濫用として無効と判断されるおそれがあります。
指導の言い回し自体が厳しすぎるとパワハラと評価されるリスクもあるため、書面の文言や処分の妥当性については、問題社員の対応を弁護士に相談するのが確実です。
当職が対応した事案の中には、「そもそも後輩への接し方・教え方がわからない」というケースもありました。
「これくらい言われて当然」とされた環境で育った従業員に起こりがちな事象です。
このようなケースでは懲戒処分などではなく「教え方を教える」指導を行います。
指導後は、新人や周囲の同僚から、当該社員の言動に変化があったかを定期的に確認します。改善が見られなければ、より重い処分や退職勧奨に進むことも検討します。
難しいのは、確認の仕方次第で「監視されている」と受け取られ、かえって関係がこじれる点や、退職勧奨を行う際に指導方針の違いをどう説明すれば強要と評価されずに済むかという点です。
次の一手の判断を誤らないよう、問題社員の対応を弁護士に相談するのが安心です。
「対策はわかったが具体的にどうすべきか」「文書を作るのが大変だ」等のお悩みを抱えている場合には弁護士に相談することをお勧めします。
相談時に弁護士が個別の案件に応じた解決策を提案いたします。
弁護士に相談する最大のメリットは、記録・指導・処分・解雇という一連の対応を、後で無効と判断されない形で進められることです。加えて、トラブルを未然に防ぐ体制づくりや、相談だけで解決してしまうケースまで、時間を取られずに任せられます。
後輩への当たりがきつい社員への対応は、どの段階でも判断を誤ると無効やパワハラ認定のリスクにつながりかねません。弁護士が入れば、各場面で「今すべきこと」を示し、書面作成から交渉まで代わりに担うため、社長が本業の時間を割かずに済みます。具体的には、次のようなサポートを行います。
弁護士のメリットは、起きた問題の解決だけではありません。
当たりがきつい社員をめぐる紛争の多くは、ハラスメント防止規定や懲戒に関する就業規則の整備が不十分だったり、日頃の指導や記録が残っていなかったりすることが原因です。
弁護士が事前に関与すれば、これらの規定を実務で使える形に整え、記録・指導のルールを社内に定着させておけます。
問題社員が現れてから慌てるのではなく、平時のうちに備えておくことが、最も費用対効果の高い対応です。
実は、相談した段階で解決に向かうケースは少なくありません。
正しい対応の順序が分かれば社長自身で進められることも多く、「会社が本気で対応している」と伝わることで社員が自ら態度を改めることもあります。
例えば「後輩への言い方について複数人から指摘が出ている。指導の意図があっても、言い方によっては問題になり得るので、今後は伝え方を変えてほしい」と、問題視している事実を正面から、かつ違法にならない形で伝える――この一手だけで状況が動くこともあります。
まずは無料相談で現状を整理するだけでも、次の一歩がはっきりします。
弁護士は紛争を踏まえた上での解決策を提案できます。
まず相談して「自社の方向性が合っているのか」「もっといい方法はあるのか」を確認してみるのがお勧めです。
「従業員から訴えられた」「問題社員がいて会社だけでは手に負えない」といったケースでお悩みではございませんか。
経営者側の労働問題は弁護士でも得意、不得意が分かれる領域で、対応によっては多額の賠償を要することも珍しくありません。
他方で、弁護士によっては紛争にならない円満解決に向けたサポートができることもあります。
弁護士稲田拓真は、6年以上問題社員の対応などの労働問題に取り組み続けた、労働問題に強い弁護士です。
大学時代を過ごした岡山の中小企業に向けたサポートに力を入れています。
御社、あるいは社会保険労務士・税理士の先生方等では手に負えなくなった困難な労働問題は、是非ご相談ください。解決策を見つけていきます。
弁護士名:稲田拓真
岡山市に拠点を持つ「困った従業員・問題社員への対応」などの労働問題に強い弁護士。東京で4年以上、労働問題に対応し続けた経験を持つ。この経験や最新判例、人間心理の知識を生かし、迅速に解決策の提案と実行をサポート。「早々にご回答ありがとうございます」等の言葉をいただきながら、日々岡山の社長のために奔走している。
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