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2026年2月20日投稿
「突然、労働審判の呼出状が届いた——」
そのような状況に置かれた経営者の方は少なくありません。岡山では年間100件近くの労働審判が申し立てられており、解雇・残業代・ハラスメントなどを理由に、従業員が会社を訴えるケースが増えています。
労働審判は通常の訴訟とは異なり、申立てから第1回期日まで約40日程度しかありません。この短い準備期間に適切な対応ができるかどうかが、その後の解決内容を大きく左右します。
本記事では、岡山地裁での労働審判を多数手がけてきた弁護士が、企業側が取るべき対応ポイントを詳しく解説します。
労働審判とは、裁判官1名と労使の実務経験者である労働審判員2名で構成される労働審判委員会が、原則3回以内の期日で紛争を解決する手続きです。通常の民事訴訟と比べて次のような特徴があります。
当職が関与した岡山地裁での労働審判案件は、1件を除いて概ね4か月以内に決着がついています。
労働審判がまとまらなかった場合、手続きは自動的に通常訴訟へ移行します。訴訟になれば解決まで1〜2年かかるのが通常です。特に解雇無効が争われるケースでは、その間の未払賃金を含めると2年分以上の支払いを余儀なくされる場合もあります。
企業側としては、「この審判で終わらせる」という強い意識を持ち、手続き全体をグリップしていくことが重要です。そのためにも、第1回期日までの短期間に法的に必要な主張を出し尽くし、万全の準備を整えて期日に臨むことが企業側の基本戦略となります。
答弁書で最も重要なのは、企業側の視点からの一貫したストーリーを構築することです。
単に「従業員の主張は誤りだ」と否定するだけでは不十分です。具体的な事実関係を丁寧に拾い上げ、要件事実を踏まえたうえで、企業側に有利な「勝ちパターン」に乗せるストーリーを組み立てる必要があります。
当職は以前、法的には会社側の勝ち筋が見えにくい残業代請求の労働審判を担当したことがあります。その際も、具体的な事実を丁寧に確認してストーリーを組み立てることで、当方の主張がほぼ認められた金額での和解を実現することができました。これはまさに弁護士の腕の見せ所といえる部分です。
申立書の記載事項に対する認否(認める・認めない・知らない)は、一文一文について漏れなく文書化しておく必要があります。
期日当日は裁判官から直接質問されます。認否に漏れがあると、その場で適切に回答できなかったり、誤った回答をして却って不利な状況を招いたりするリスクがあります。
会社側として言いたいことは山ほどあるかもしれませんが、すべてを答弁書に盛り込むことは逆効果です。
当職も依頼者に対し、「事実関係はすべて把握しました。ただし今回は、法的に最も重要なこの事実にフォーカスを絞って対応したいと思います。それ以外の経緯を細かく書いてしまうと、裁判官に一番見てほしいポイントが薄れてしまいますし、周辺的な事実で無用な揚げ足取りのやり取りが生じるリスクもあります」と説明することがあります。
ただし、絞り込みすぎてストーリーが伝わらなくなるのも禁物です。何を書き、何を書かないかの判断が重要です。
岡山地裁では、労働審判員は期日前に証拠書類を事前確認しないケースがあります。一方、答弁書と申立書は必ず読まれます。
したがって、裁判官・労働審判員に確実に伝えたい証拠内容は、答弁書の本文中に引用・説明しておくことが効果的です。当職は過去に、証拠資料のスクリーンショットを答弁書に直接貼り付けて説明したこともあります。
証拠書類は期日当日にその場で確認してもらう場面もあります。問題となる言動や重要な記載箇所が一目でわかるよう、マーキングや付箋などで工夫しておくことで、審判委員会への伝わり方が大きく変わります。
当職が会社側の代理人を務めた事案で、従業員側が提出したメモが重要な証拠となったことがあります。当職は写しを証拠として提出しつつ、期日に原本を持参しました。
期日当日、従業員側から「このメモは改ざんされている」という主張がなされましたが、当職がその場で原本を提示したことで改ざんがないことを即座に証明でき、会社側に有利な和解で事件を終結させることができました。原本の持参は、思わぬ場面で事件の流れを左右することがあります。
期日当日、裁判官から事実経過や証拠に関する具体的な質問が飛んできます。「持ち帰って調べてから回答します」は、労働審判の場では基本的に通用しません。
少なくとも、どの資料のどこを見れば回答できるかを事前に整理しておき、質問に対してその場で正確に回答できる状態を作っておく必要があります。
第1回期日では、ほぼ確実に和解の話が出ます。「その場で持ち帰って検討します」では、早期解決の機会を逃しかねません。
「いくらであれば和解に応じるか」を事前に社内で決裁を取っておくことが必須です。ただし、この金額は感情的な判断ではなく、「審判が決裂して訴訟になった場合に企業が負担するコスト(賃金・弁護士費用・時間・レピュテーション)」を正確に試算したうえで検討する必要があります。正確な見通しを得るためにも、労働問題に強い弁護士への相談が欠かせません。
和解協議が成立しそうになった段階で、合意書の内容を一から考えていては時間が足りません。また、条項の抜け・漏れがあると、後日再び紛争が蒸し返されるリスクもあります。
和解条項のひな形を事前に準備しておくことで、当日の協議をスムーズに進めるとともに、合意内容を確実に書面に落とし込むことができます。
労働審判を弁護士に依頼する場合の費用は、概ね次の3つのパターンがあります。
当事務所では、紛争の解決だけでなく、労務リスクの予防・改善もセットにした顧問契約をお勧めしています。労働審判を契機に労務管理体制を整備することが、次のトラブルを防ぐ最善策です。
労働審判を申し立てられた企業側に求められる対応を整理すると、次のとおりです。
労働審判は、準備の質が結果を直接左右する手続きです。申立てを受けたら、できる限り早期に労働問題に精通した弁護士に相談されることをお勧めします。
「従業員から訴えられた」「問題社員がいて会社だけでは手に負えない」といったケースでお悩みではございませんか。
経営者側の労働問題は弁護士でも得意、不得意が分かれる領域で、対応によっては多額の賠償を要することも珍しくありません。
他方で、弁護士によっては紛争にならない円満解決に向けたサポートができることもあります。
弁護士稲田拓真は、6年以上問題社員の対応などの労働問題に取り組み続けた、労働問題に強い弁護士です。
大学時代を過ごした岡山の中小企業に向けたサポートに力を入れています。
御社、あるいは社会保険労務士・税理士の先生方等では手に負えなくなった困難な労働問題は、是非ご相談ください。解決策を見つけていきます。
弁護士名:稲田拓真
岡山市に拠点を持つ「困った従業員・問題社員への対応」などの労働問題に強い弁護士。東京で4年以上、労働問題に対応し続けた経験を持つ。この経験や最新判例、人間心理の知識を生かし、迅速に解決策の提案と実行をサポート。「早々にご回答ありがとうございます」等の言葉をいただきながら、日々岡山の社長のために奔走している。
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