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Q「無料」のはずが22万円の請求、求人広告トラブルへの正しい対応は?

弁護士の回答ポイント

  • その料金、本当?まずは勧誘方法や契約書を確認
  • とにかく迅速な解約を
  • 弁護士に依頼することで会社側の負担を軽減できる具体的な場面

このようなトラブルでお悩みではありませんか

「2週間無料のはずが、期限を過ぎたら22万円請求された。」実際にあった相談の一つです。

求人広告のトラブルでは、電話での案内と実際の解約条件が食い違っていることが多くあります。支払う前に確認すべき点があります。

「無料」と案内されたのに、期限を過ぎると数十万円の掲載料を請求される。こうした求人広告トラブルは、各地で相次いでいます。契約書や規約には、「無料期間経過後は自動的に有料プランへ移行する」旨が記載されている場合が多く、一見すると支払わなければならないように見えます。しかし、実際の勧誘方法や契約書の記載内容によっては、支払い義務が認められない場合もあります。請求書を受け取ると慌てて支払ってしまいがちですが、まず落ち着いて事実関係を整理することが重要です。

法的な検討ポイント

「無料」のはずが高額請求、支払い義務は本当にあるのか

契約書に有料移行の記載があっても、電話での説明内容や申込書の記載と食い違っていれば、支払い義務が否定される可能性があります。

求人広告会社の多くは、電話で「無料期間内に連絡すれば解約できる」と案内します。一方で、実際の解約方法は「専用フォームからのみ」「事前アンケートへの回答が必須」など、口頭説明よりも手続きが複雑になっている場合があります。さらに、解約手続きが完了しないうちに掲載期間が経過したとみなされ、高額な掲載料が自動的に発生する仕組みになっている場合もあります。こうした「電話での案内」と「実際の解約要件」の食い違いは、支払い義務を否定する重要な判断要素になります。

実際にあった悪質な請求手口

「電話で解約可能」と案内しながら実際は専用フォームのみで受け付ける、支払わなければ解約自体を認めないなど、手続きを意図的に複雑にする手口が見られます。一例を挙げると、

(1)電話で解約できると案内しながら、実際は専用フォームからしか受け付けない。

(2)その専用フォームには、事前アンケートに回答しなければアクセスできない。

(3)約款に記載がないにもかかわらず、「掲載料を支払わなければ解約できない」と案内する。

(4)「弁護士に依頼して回収する」といった警告で支払いを迫る。

いずれも、契約者が正しく解約できないよう手続きを複雑にし、結果的に高額な掲載料を負担させることを狙ったものです。

支払い義務が否定された裁判例

契約書のひな形に有料移行の記載がなかった事案や、広告の運用実態が不明だった事案では、裁判所が支払い義務を否定しています。

東京地裁令和7年6月11日判決では、無料プラン契約後3週間以内に連絡しなければ自動的に3か月55万5000円のプランへ移行する条項がありましたが、申込書のひな形にはその記載がありませんでした。裁判所は、この移行が「申込書の記載内容から合理的に想定できない不意打ち的なもの」であること、移行後の負担が重いこと、契約者が条項の存在を認識していたと示す事情がないことから、支払いの合意自体が成立していないと判断しました。また、東京地裁令和1年9月9日判決でも、求人広告としての掲載実態(実際に求職者の目に触れる状態にあったかどうか)を広告会社側が明らかにできなかったことなどを理由に、契約自体を公序良俗違反で無効と判断した例があります。

実際の対応手順

まず確認すべきこと

契約書・申込書の記載内容、電話でのやり取りの記憶やメールの記録を整理し、口頭説明と契約書の内容に食い違いがないかを確認します。

請求を受けたら、まず手元にある申込書、契約書、利用規約、担当者とのメールやメッセージのやり取りを集めます。特に、「電話でどのような説明を受けたか」「解約方法についてどう案内されたか」は、記憶が曖昧にならないうちに書き出しておくことが大切です。契約書のひな形に、有料プランへの移行条件や金額が明記されているかどうかも、重要な確認点です。記載が曖昧であるほど、支払い義務が否定される可能性が高くなります。

解約と支払拒否の意思表示を書面で送る

解約の意思と支払わない理由を明記した文書を、証拠が残る方法(内容証明郵便やレターパック等)で送付することが有効です。

事実関係を整理したら、「契約を解約すること」「請求されている金額を支払わない理由」を明記した通知書を作成します。後日、「送った、受け取っていない」という水掛け論にならないよう、内容証明郵便やレターパックなど記録が残る方法で送付することが必要です。電話で受けた説明内容や広告の運用実態など、支払わない根拠となる事情も盛り込むと、相手方への説得力が増します。

訴訟を起こされた場合の対応

広告会社の中には訴訟提起によって回収を図る例もありますが、反論をしなければ書面審査のみで請求が認められるため、反論が必要です。

まれに、通知後も広告会社が訴訟を提起する場合があります。この場合、反論をしなければ、裁判所は提出された契約書等の書面のみで判断し、請求が認められる可能性があります。訴訟に発展した場合は、勧誘時の説明内容や契約書の記載の不備、広告の運用実態などを具体的に主張・立証し、請求を止めることを目指します。早期に専門家へ相談し、必要な証拠を整理しておくことが重要です。

弁護士に相談するメリット

迅速な対応で高額請求のリスクを早期に断つ

相談から短時間で解約通知文書を作成できれば、支払期限内に対応でき、遅延損害金の発生や督促の激化を防げます。

請求書には支払期限が短く設定されていることが多く、対応が遅れるほど遅延損害金の発生や督促の激化につながります。顧問弁護士がいれば、相談から1時間程度で具体的な解約通知文書を作成し、迅速に送付することも可能です。迅速な対応は、無用な時間の浪費や心理的な負担の軽減にもつながります。

「弁護士がついている」ことによる牽制効果

弁護士名義の文書を送ることで、「この会社は簡単な相手ではない」と広告会社に認識させ、訴訟への発展を防ぐ効果が期待できます。

弁護士が作成した具体的な通知文書を送付することで、広告会社側に「弁護士がついている以上、簡単には支払わせられない」という認識を持たせることができます。これにより、訴訟にまで発展するケースを未然に防ぎ、無用な時間の浪費や、裁判所で支払いを命じられる可能性を減らすことができます。

顧問弁護士がいれば日常的なトラブルにも即応できる

求人広告トラブルに限らず、日々発生する労務や取引上の問題に対して、顧問弁護士がいればその都度速やかに相談・対応できます。

社長がバックオフィス業務を兼任する中小企業では、こうしたトラブル対応に時間を割く余裕がないのが実情です。顧問契約を結んでおけば、求人広告トラブルに限らず、労務問題や取引先とのトラブルが生じた際にも、都度速やかに相談し、煩雑な対応を任せることができます。

まとめ

契約書や電話案内の内容に不備や食い違いがあれば、支払い義務が否定される可能性があります。まずは申込書や規約、やり取りの記録を確認し、慌てて支払わないことが重要です。

解約通知は証拠の残る書面で送付し、判断に迷う場合は早めに弁護士へ相談することで、無用な時間や費用の負担を避けられます。

最後に:岡山の労働問題に強い弁護士のご紹介

「従業員から訴えられた」「問題社員がいて会社だけでは手に負えない」といったケースでお悩みではございませんか。

経営者側の労働問題は弁護士でも得意、不得意が分かれる領域で、対応によっては多額の賠償を要することも珍しくありません。

他方で、弁護士によっては紛争にならない円満解決に向けたサポートができることもあります。

弁護士稲田拓真は、6年以上問題社員の対応などの労働問題に取り組み続けた、労働問題に強い弁護士です。

大学時代を過ごした岡山の中小企業に向けたサポートに力を入れています。

御社、あるいは社会保険労務士・税理士の先生方等では手に負えなくなった困難な労働問題は、是非ご相談ください。解決策を見つけていきます。

 

この記事を書いた弁護士の紹介

弁護士名:稲田拓真

岡山市に拠点を持つ「困った従業員・問題社員への対応」などの労働問題に強い弁護士。東京で4年以上、労働問題に対応し続けた経験を持つ。この経験や最新判例、人間心理の知識を生かし、迅速に解決策の提案と実行をサポート。「早々にご回答ありがとうございます」等の言葉をいただきながら、日々岡山の社長のために奔走している。

 

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